
あの事件、そしてあの人。
That case. that person
川崎登戸通り魔事件
令和に入って一ヶ月も経たないうちに起こった事件。小学生に刃物を向け、20人もの死傷者を出し、犯人自身も自殺を遂げたという事件。


5歳の頃に両親が離婚。その後、父方の伯父夫婦に育てられ、事件当時もこの伯父夫婦と三人暮らし。ただし、一つ屋根の下で暮らしながら、顔を合わせないように暮らしていたそうです。
中学生の頃から引きこもりが始まり、事件当時も無職で引きこもり。一度は家を出た時期もあったそうですが・・・。
まず、この宿命で母親は乙木になります。年支中元にあり、母親の場所に母親がいます。ということは、母親が必要な宿命です。なのに母親には引き取られず・・・。
父は乙木と干合する庚金。しかしこの宿命には金性が全くありません。全くないということは、縁がない、あるいは受け入れようとしても受け皿がないのです。父の兄になれば金性の陰陽辛金です。父の兄夫婦にも縁はないのです。

しかし大運1旬は辛亥で干合双連となります。伯父の家族とより良い関係ができていれば、順調に育っていたのかもしれません。しかし伯父夫婦にも子供が二人いて、その子供達と同じように扱われていたかどうかは疑問です。またこの大運1旬は大運天中殺にもなりますから、大人になっても幼少期と同じ環境にいれば矛盾が生じます。
そしてこの宿命は、調舒星に対する意識が強く神経質。特に社会に対するアレルギーもあり、矛盾する環境で暮らせば、引きこもりも起こり得るのです。
事件は調舒星中殺が回る2019年5月に起こりました。調舒星は命に対する意識が強く、調舒星中殺になれば、人の命を巻き込んで、自らの命を絶つ恐れがあるのです。
元農水事務次官長男殺害事件
農水省の事務次官まで務めた父が、無職の長男を刺殺した事件。



犯人となった父の宿命は「科挙の宿命」。官僚として上り詰めるに相応しい宿命です。だからこそ、それなりに務め上げることができたのです。しかしこの父の人生は、波瀾が多いのも確かです。大運1旬が天中殺、しかも天剋地冲ですから・・・。大運天中殺で入省した農水省では、BSE問題の責任を取る形で辞任。こんなことにぶつかるなんて・・・。
長男誕生の年は年運天中殺で天剋地冲にもなります。父にとってこの長男は縁のない子供。そして長男は、父を受け入れられず反面教師に・・・。
またこの二人の関係は、父が長男の未来にブレーキを掛ける形です。共通干支があり親子らしいとは言えますが、それが仇にもなります。しかも父の月干には子供の星が、長男の月干には父の星があり、互いに気になり意識する存在。長男にしてみれば、幼い頃から父の存在はプレッシャーになっていたはずです。学校ではイジメに遭い、そのはけ口が母親を殴ることだったのかもしれません。

それでも大学進学と同時に家を出た長男。そこで中退をしようが引きこもりをしようが、親が関わらなければ、この長男にも自立心が芽生えていたのかもしれません。しかし最も関わってはいけない父が、常に関わっていたとなれば、長男の運勢は陰転するばかりです。
手が付けられないほど暴れる長男。自分が「殺さなければ!」と思った父。これこそが究極の愛、愛があるから殺せたのかもしれません。世間を巻き込む前に自分の手で・・・。
長男の宿命は、突拍子もないことに遭遇する宿命。父に殺されるなんて、普通では考えられないことです。
そしてこの事件は、長男にとって「自分中殺」の大運で、「父中殺」が廻る年に起こった事件です。ここまでしなければ、この世の生き地獄からは解放されなかったのかもしれません。
京都アニメ放火事件

30人以上の死者を出した放火事件。
犯人も生死を彷徨うほどの火傷を負いました。

まるで砂漠のような宿命です。不毛の地からは何も生まれません。下格の宿命と言えるでしょう。この場合一点破格にはなりますが、それを活かすにはかなり無理があり、また現実に育った環境も活かせるような環境ではなかったようです。
小学生の頃に両親が離婚。3人兄弟の真ん中だったこの犯人は、兄弟とともに父と暮らすことに・・・。しかし生活は苦しく、中学卒業後は定時制に通いながら働き始めたそうです。緻密で細かなところまで気が付く頭の良い宿命。学びたいという気持ちは強かったはずです。
そして21歳の時、生活苦から父が自殺。兄弟はバラバラに暮らすようになりました。
この宿命で父は戊土。父とは大半会の関係にあり、またこの砂漠のような生き辛い宿命を半分担ってくれていたのも父。その父がいなくなり、3旬目の大運に入った頃から様々な事件を起こすようになりました。
3旬・4旬は大運天中殺です。しかも主星が透干するため、心の奥にある抑圧されていた気持ちが表に出てきます。
「自分の作品を盗まれた」と勝手な思い込みをすれば、それが歪んだ形でどんどん膨れ上がっていきます。事件は調舒星中殺の大運で起こりました。こんな時だからこそ、執拗に止めを刺すまで諦めません。自分の命は二の次、他人の命を巻き込むのが特徴です。
2019年は意志が固まる時。自分が起こす行動には絶対的な自信があったはずです。だからこそ入念に計画を立て、怯むことなく起こした事件ではないでしょうか。
お家騒動・・・そしてその後
父が創業した会社。この会社をめぐってお家騒動が勃発。父と対立し、一度は社長を解任された長女が再び社長の座に・・・。
しかし・・・。

